「またね、蓮央くん♪」


「…………」



巻き髪のケバい女が、駆けていく。


それをぼんやりと見送っていたら、後ろに人の気配を感じた。



「蓮央」



振り返ると、そこには圭太が。



「……何してんだ?お前」



冷めた目で俺を見下ろしていた。



「何って、女と遊んでんだよ」


「馬鹿じゃねぇの?やめるべきだ」


「圭太に言われる筋合いはねぇ」



圭太から目をそらし、テーブルの上のビールを飲む。


いくら飲んでも、乾きは癒されない。


この数時間で……10本は飲んでいる。



「蓮央、やめろ。それ以上飲むと死ぬぞ」



死ぬ?


上等じゃねぇか。



「別に構わねぇよ。生きようが死のうが、もうどうでもいい」


「お前……気でも狂ったのか?数週間前まではそんなこと言ってなかったのにな」


「……状況が、変わったんだよ」


「咲誇と別れたからだろ」



ズバリと言い当てられ、口をつぐむ。