数十分して、やっと落ち着いてきた。



「っく、ぅ……」


「止まったか…?咲誇」


「ぅ、ん……」



涙を拭いながらこくこく頷く咲誇。


あーあ、俺もびしょ濡れだ。


仕方ねぇな、もう……。


濡れたTシャツをつまみ、苦笑いした。



「ごめん京也……。も、大丈夫だよ」



涙のあとを残しながら、彼女は力なく笑う。


……は?


なんで笑ってんの。


どこが大丈夫なんだよ。


こんなになるまで溜めつづけて、爆発して、泣いて。


……『大丈夫』だと?


ふざけんのも、大概にしろ。




「わっ……!?」




無性にイラついて


俺は、咲誇を強く強く抱きしめた。