闇の中……
あの記憶が蘇ってくる。
『──やめろ、さなにてをだすな!!』
『ガキの分際で生意気なのよ!!』
蹴られる痛み。
切られた時に出た血。
全てが、鮮明に蘇る。
『お前らがいなければ……自由になれるのに!!』
何だよそれ……
生まれてこなければ良かったってことかよ。
ならなんで産んだんだ。
いらないなら……産むんじゃねぇよ。
『おにいちゃん……』
『さなはおれがまもる。おれの、いもうとだからな』
沙奈と、約束した。
思えば、俺の初恋は沙奈だったんだ。
金髪碧眼。
日本人とはかけ離れた容姿で、世間から疎まれていた。
同じ境遇の、双子の妹、沙奈。
母さんにいつも虐待されている沙奈を守ろうと、必死だった。
小学校を卒業するとともに地元で有名な族に入り。
死にかけたこともあったが、その族は俺が支配した。
そこから……世界に通用するくらいデカくした。
沙奈も沙奈で、俺に、喧嘩を教えろと言ってきて。
互いに競い合ううちに【阿吽】ができた。
背中合わせの俺ら。
ずっと一心同体だった俺らは、別の道を歩もうとしてる。
沙奈はアイツを、俺はコイツを。
欲しいものが……出来た。


