「蓮央くんの、悲しそうな顔見たくないよ……」
「悲しくなんてねぇ…」
「ううん、苦しそうな、悲しそうな。そんな顔してるよ……。蓮央くん、あたしじゃ代わりになれない?あの子の代わりに……」
「馬鹿なこと言ってんなよ。俺には咲誇だけだ。代わりなんて……」
そこまで言ったところで、頭を掴まれて後ろを振り向かされた。
「うわっ……!?」
バランスを崩し、すぐそこにあった壁に両手をついた。
痛ぇな……くそ。
……何が起こったんだ?
金髪が見える。
唇に、何か柔らかいものが触れている。
「蓮央く……」
沙奈の声で我に返った。
俺の唇に触れているものが、沙奈の額だと理解するのにそう時間はかからなかった。
「お前……!!」
沙奈を睨んで、壁から離れようとした、その時。


