ソファーに座ってビールを飲みながらテレビをつける。
見ているわけではなく、ただ静寂を作らないようにするため。
久しぶりに、このマンションに俺以外の人が来た。
咲誇がいなくなってから、圭太たちを呼ぶのも控えている。
咲誇を、仲間はずれのようにはしたくないから。
咲誇と仲直りするまで……あいつらは呼ばない。
『現財務大臣の南氏は、明白であるはずの息子の存在を否定しており、事実確認が急がれています……』
キャスターのそんな声が聞こえてきた。
親父……まだ俺の存在を認めない気か?
世間にこんなに知れ渡っちまったんだから、いい加減諦めろっつの。
……まぁ、親父の気持ちも分からなくはないけれど。
空になったビールの缶を握りつぶし、ゴミ箱に投げ捨てた。


