「でも、お前は咲誇を泣かせた。それに変わりはない」


「わかってる……」


「しかもガラスまで投げやがって。傷ついたのは咲誇の体だけじゃない。心もズタズタになったんだぞ!!」


「……」


「出ていく前、咲誇がどんな気持ちでお前を呼んでたか……分かってんのかよ!!!」



転がっていた酒の瓶を踏みつけて割る圭太。


こいつがこんなにキレたのは、初めてだ。


俺がそんだけ酷いことをしたってことか……


圭太は俺の胸ぐらを掴んで持ち上げる。



「好きじゃねぇのか!?咲誇をよ!!」


「…好きに決まってんだろ!!」


「じゃあ泣かせんなよ!!くだらねぇ嫉妬心で咲誇を傷つけやがって!!」



──バキッ!!


圭太が俺を殴る。


口の中が切れて、血が流れた。



「圭太、やめろ!」



珍しく諒真が止めている。


体格的には諒真のほうが上だから、圭太は抑えられてしまった。