少し振り返り、蓮央を見る。


蓮央は私を見ていた。


でも、目が合った瞬間……逸らされた。


ズキンッと、心臓をえぐられるような痛みが走る。



「やだ…蓮央……」


「今は何言ってもきっと無駄だ。後はそこの黒髪……圭太に任せよう」


「蓮央………蓮央っ!!」



手を伸ばしても、届くことはない。


蓮央も、この手を掴んでくれることはない。


あんなに近くにいたのに。



「京也……少しの間頼んだ。蓮央は、こっちでどうにかする」


「あぁ」



圭太に笑いかけた京也は、私の顔をのぞき込んだ。



「……ここにいても、辛くなるだけだ。お前もあいつも。一旦…行こう」


「…………」



そう、だね……。


涙を拭ってこくりと頷き、倉庫の外に出た。