しかし沙奈は一歩も引きそうにない。



「蓮央くんとあたしの邪魔しないでよ!」


「邪魔もなにも、蓮央は咲誇のものだ」


「咲誇って……あの女?」



沙奈の視線が私に移る。


・・・げ。



「アンタを倒せば、蓮央くんはあたしのものなのね?」


「はい?」


「そういうことなら、いざ勝負よ!!」



なぜかいきなり戦闘態勢に入った沙奈は鉄パイプを持って襲いかかってくる。



「くらえっ!!」


「ちょっ……!?」



振り下ろされたそれをギリギリでよけ、沙奈の腕を掴んだ。



「離してよ!戦いなさい!!」


「いや意味分かんないし!」



沙奈の手首をねじって鉄パイプを落とさせ、武器を奪う。



「さっきーに手を出すんじゃねぇ!」



諒真さんが沙奈を取り押さえてくれたお陰で一件落着……かと思ったら。