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今日の部活で、屋上の風景を描くことは決めていた。


いつも練習している演劇部が唯一いない水曜日。


風にポニーテールをなびかせる子を描く予定だった。



だけど、その屋上に来て、さぁ入ろうとドアに手をかけた途端。


中から一組の男女の話声が聞こえてきた。




「……何の用? 楓」


「つれないなぁあっきー。昔は楓ちゃんって呼んでたのに」


「…………何の用か聞いてんだけど」



明らかに不機嫌な男の子の声と、楽しげな女の子の声。


その声にわたしは、聞きおぼえがあった。



あっきーと呼ばれた男の子は、ほんの数十分前まで教室でわたしと話していた声と似ている。


……高槻くんの声。



そしてもう一人は、名前からも確信を持っていた。


篠田先輩の彼女さんの、楓さんの声だ。