「結羽すげぇ! 結羽がこれは絶対出るって言ったところほんとに全部出た!」


「そうですか……よかったです。本当にお疲れさまでした」



……木林くんがわたしに声をかけた途端、教室の温かい視線の半分ほどが冷たいものへと切り替えられたけれど。


でも本当によく頑張っていた彼を労わって言葉を返した。



「じゃあ、今日はもう解散で。くれぐれも羽目は外すなよ」



解答用紙にひもを通して、教室から出ていく先生。


教室はますます騒がしくなる。



「久しぶりに部活行けるっ!!」


嬉しそうにエナメルバッグをひっかける木林くん。


同じバスケ部の人に声をかけて、早々と教室を出て行ってしまう。




「結羽、また明日!」




部活に行ってしまったと思ったら、ドアのところで立ち止まって、振り返って言った。


明るい笑顔につられてついこちらも笑顔になる。