お姉さん、だったんだ……。


きょうだいがいないわたしには、少し思いつかなかった。


それなら、名前で呼んだりしても当然なのかな。




「だから、付き合ってるのとかも知ってて、篠田さんとも俺何度も話したこととかあるし。
 えっと結羽が篠田さん好きなら、傷つけたくなくて隠そうと頑張ってたんだけど……」


「あ、大丈夫です。それさっきも聞きました」


「あ、ごめん……」




ひどく慌てている彼。


どうやらわたしがショックを受けていると思っているみたい。




そりゃまぁ、ショックを受けていないと言ったらウソになるんだろう。


わたしは確かに篠田先輩が"好き"だった。



だけど、なんでだろう。



木林くんの、わたしに対するまっすぐな目が。


なんだかとてもぽかぽかとあったかい。