甘々王子にユウワクされて。




……いったい何がしたかったんだか。


一言も喋っていないような、何のためにいるのかもわからないような子もいたし。



でもこれでようやく教室に入れる、と思ったとき。



「ごめん、結羽……!」



ぱんっ、と音がして、疑問に思って振り返ると、拝むように手を合わせて頭を下げるしまうまさんの姿。


「図書室では迷惑かけたし、今も危ない目にあわせたし……ごめん!」




……呆気。


どれだけまっすぐなんだこの人は。



しかも頭を下げながらちらちらと上目遣いでこちらの様子をうかがってくるし。


小型犬か何かですか、貴方は。




「……大丈夫です。気にしてませんから」



図書室でのことは正直ちょっと根に持ってるけど、


今のことは本当にどうでもいい。