甘々王子にユウワクされて。



だけどやっぱりというか、そのため息が癇に障ったらしく。



「ち、ちょっと! 聞いてんの!?」



顔を真っ赤にして怒ってきた坂場さん。


グレーのブレザーをぐいっと引っ張られる。



「わ……っ!?」


そのせいで体のバランスが保てなくなって、転びかけた、そのとき。





「ちょっとストーップ。何やってんのこんなとこで。楽しいコトなら、俺も混ぜて?」





真横から聞こえた声。


そして腰をいつの間にか支えられて、転ばずに済んだ私。



驚いて見ると、そこには、笑顔のしまうまさん。


だけどその目は確かに怒っていて。



さっきの篠田先輩と少しだけリンクして見えて、どきっとした。