だけど、一歩人目のある所に行くと。



「え、あれ……侑心くんと、佐久間さん……!?」


「なんで侑心くんがあんな子と文化祭回ってんの……?」


「あの二人付き合ってるとか……!?」



すぐにわたしたちを見てこそこそと女の子たちがざわめきだす。


そうだ、木林くんはこの学校の王子さま。


わたしなんかが隣にいて、面白いはずがない。



確か今坂場さんはクラスの係だったから大事にはならないだろう……けれど。


その視線は決して心地のいいものではない。




けれど。



「……結羽、こっちおいで」



そんな周りを気にしだしたわたしに気が付いて、木林くんが腕を引いた。