机に肘をついて、わたしに笑いかけるしまうまさん。
「迷惑かけないからさ! 付きまとうくらい俺の自由でしょ?」
目を細くして、でもわたしをしっかり見ながら笑う。
近くで見る整った顔に、つい心臓の動きが速くなる。
「き……気に入ったって何ですか。昨日のこともですが、からかうつもりなら結構です」
彼と反対側に本を持っていき、体ごと逸らした。
動揺してるのが気づかれたくなくて。
「からかってなんかないから」
真面目なトーンの声も聞こえてないふり。
必死にページをめくる。
「ねぇ結羽、聞いてる?」
ついに肩を掴まれて、聞いてないふりもできなくなった。
無理やり彼のほうを向かされる。

