「え、ちょ……木林くん!?」
その腕を離してくれる様子はなく、木林くんはわたしの戸惑いを無視して言った。
「なぁ晃斗。明日も実行委員って忙しーの?」
「ん? まぁそりゃ。だけど俺には今日半日仕事押し付けた借りがあるからね、佐久間には」
なんだか木林くんの言わんとしていることがわかっているかのような高槻くんの言いよう。
それを聞いた木林くんはいたずらっぽく笑い立ち上がって、強制的にわたしも立たされた。
「……じゃあ明日の午後、結羽は俺がもらうから」
驚いて木林くんを見ても、ただ笑うだけ。
仕事を勝手にだめでしょ、と思って高槻くんを見ても、まぁ元から明日の君の仕事は俺がやろうと思ってたし、と言われてしまった。
そしてわたしたちの横を通り過ぎて教室を出ていこうとする高槻くん。
だけど、ふと足を止めた。

