甘々王子にユウワクされて。



「……結羽、」



驚いたような顔をこちらに向ける木林くん。


どうしていいかわからずに、曖昧に笑った。



そうしたら。



「……あーもう……っ」



そんな小さな言葉を漏らしつつ、しゃがみ込んだ木林くん。


頭を腕ですっぽり覆ってしまう。



突然のことに驚いて、どうしたのか駆け寄った途端、




「…………可愛すぎ」



その言葉が耳に入ったと思ったら、いつの間にか伸びてきていた手に腕をつかまれていた。


低いところからつかまれてバランスが崩れ、倒れ込むようにしてしまう。