そんなわたしの狼狽に気づきもせず、木林くんは高槻くんに向って怒鳴る。
「どういうことだよ俺がまだゆうのこと好きとか! そりゃ大切には思ってるけどもうそんな感情持てねェよ!
こんなにも……ゆうのこと好きで好きで仕方ねェってやつの横に何年もいたらそんな気も失せるっつーの!」
「べ、別に俺の方こそゆうなんて最初から何も思ってなんか……」
「嘘つけ! 5分おきにはスマホで病院からの連絡ないか確認してるくせによく言えるな!
お前が屋上でサボるのも病院が見えるからだって気づいてないと思ったか!?」
……え!?
高槻くんのスマホを見るくせと屋上でサボるのにはそんな理由があったの?
「お前がゆうを忘れられねェからってそれを俺に押し付けんな!!」
木林くんに言われて、ぐっと詰まったような顔をする高槻くん。

