「もし反対がなければ……企画書提出しちゃいますけど、大丈夫?」



楓さんが聞くと、拍手が沸き起こる。


同時に楓さんもぱあっと笑顔になった。



「ありがとうございます! じゃあ提出してきまーす!
 あ、各自解散してください!」



彼女は大げさに頭を下げてはばっと上げ、茶目っ気たっぷりに敬礼をして1番に会議室を出て行った。


楓さん、大変そうだな。


ざわざわと解散していく中そう思っていた。



そしてなんとなく横を向いて見ると、かばんを肩にかけてこちらの様子をうかがっていた高槻くん。


アイコンタクトで"帰るけど"と伝えられたような気がして、軽く会釈して返した。


そうするとまっすぐ会議室から出て行ったから、正解だったんだろう。


一応わたしに言って(声には出していないけれど)から帰ったから、やっぱり彼は優しい人なのかもしれない。


なんだか……謎が多いな、高槻くんは。



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