「遅れてしまい申し訳ありません」




私は一言いって席に着いた




でも、お父様以外に誰もいなかった




「…お父様、お相手の人は?」




「まだだ」



お父様は一言言って終わってしまった




シーンとした重い空気が流れた



「くれぐれも、失礼のないようにしろよ。お前は会社のためにも頑張ってもらわないと困るからな」




また、会社か…





「はい。わかっております」




「なら、いい」



ガチャ



ちょうど、ドアが開いた




「すみません。またせてしまって」




「いえいえ。大丈夫です」


「…」



お父様が敬語を使った

それまでにすごい人




この人の名前は



九条 隆 (くじょう たかし)


あの、世界最高とも言われている財閥



そして、彼の隣で無言でいるのは私の婚約者


九条 大和 (くじょう やまと)


九条財閥の御曹司





写真で見るよりもイケメンだった




彼達が座るのを見て私たちも座った





「このたびは、誠にありがとうございます」



お父様が喋り出した




「いやー

私も嬉しいよ。


息子が結婚する事が」




…この人はお父様に愛されているんだ




私とは大違い





「少し、二人っきりにさせてくれませんか」



っと、今まで話さなかった大和さんが言った