「それでねそれでねっ、羽黒くんってば私の名前よんでくれたの!」
それから走って教室に入り、友達のあーちゃんこと、井上朱里ちゃんにさっきまでの事を説明する。
息継ぎもしないで、嬉しそうにそういう私にあーちゃんは大きなため息をひとつ
「あんずさぁ…、それって喜ぶところなの?」
頬杖をつきながら、わたしに問いかけるあーちゃん
「えっ、喜ぶよ!だってあの羽黒くんだよ?!最初はあんただれ、なんて言ってきた羽黒くんだよ?!」
あんただれ、ってところだけ少し声を低くして羽黒君のモノマネをする。
「…っていうか、そんな人を好きなる意味が私にはわからないわ」
そういったあーちゃんは、またひとつため息をつく。
だけどだけどっ、と言葉をつなげて少し前のめりになりながら
「こぉーんな、怒った顔してた羽黒くんが、普通に喋ってくれるようになったんだよ?」

