探偵になった気分だった。
ラストシーンで、犯人を追い詰める探偵に。
あたしが解決する事件は、皆にとって、幸せ?不幸せ?
「愛ちゃん…知っているのか?」
パパが目を真ん丸くして聞いてくる。
あたしは静かに、首を振った。
「どういう関係かは、わからないよ。
だけど、雰囲気や顔色でわかる。
今の皆、普通じゃないよ。
パパもママも、セイくんも。
普通じゃ、ないよ」
あたしの紡ぐ言葉が、どんなラストシーンを生むのかわからない。
だけど、ハッピーエンドであってほしいと願いたい。
「……すみません。
今日はやっぱり、僕は帰ります」
リビングに広がる沈黙を切り裂いたのは、セイくん。
その声は、震えていた、確かに。
「セイくんっ!」
あたしの叫ぶ言葉を聞かず、セイくんは背を向けて
玄関の方へ向かった。
あたしも、その背中を追った。


