「……はぁ」


「王子くんどうしたの?溜息なんてついて」


「キミと言い合っているかと思うと、僕もキミと同じ頭なんだなぁと思ってガッカリします。
気分が一気にだだ下がりです」


「やっぱり王子くんって毒舌だよねぇ。
まぁそんな所もあたしは好きなんだけどね?」


「キミに好きと言われるのが、僕にはどうしようもない苦痛です」


「好きなんだからしょうがないじゃん?」


「…一生好きだなんて単語使わないでください。
僕を殺す気ですか…キミは」


「キミじゃないのに…」


「もしかして僕をキミと同じようアホにさせたいのですか?
その手には乗りませんよ?」


「あたしはアホじゃないよ?
まぁ王子くんに比べたらアホなんだろうけど。

王子くんをアホにさせるつもりなんて全くないよ?
王子くんは王子くんのままでいてほしいんだもん。

あたしの大好きな王子くんでいてね?王子くん」


「その名前も一生呼ばないでください。

それとキミはいつになったら僕をちゃんとした名前で呼ぶのですか?

何度も言いますけど、僕は王子などという名前ではありません」


「だって皆言っているよ?王子くんって」


「皆言っているから、とキミも王子くんと呼ぶのですか。
僕が嫌っているそのあだ名で?」


「…だって舌が慣れちゃってる」


「…もう良いです」


「そもそもあたし、王子くんの本名知らないからね」





その言葉に、僕は雷を全身に浴びた感覚に陥りました。