「……じゃあ、良いもん。
最後の手段、使うから…」
ふう、と息を吐いた彼女。
制服のポケットへ、自分の手を突っ込みました。
「…警備員でも連れてきて、僕をさらうつもりですか?
僕はさらわれることなんてあり得ませんよ。
そんな人たちに、僕に敵うわけありませんから」
どんな人に襲われても平気なよう、護身術は学んでいますから。
「あたしはそんな真似しないよ。
もっとシンプルな方法で、セイくんを連れて行くよ」
「シンプルな方法……?」
「そ。…こうやってね」
ニヤッと不敵に微笑んだ彼女は、素早くポケットから“何か”を取り出しました。
そしてその“何か”を、僕の手首につけました。
「なっ…!?
おまっ…お前…正気かよ!?」
思わず敬語を忘れて聞きます。
僕の手首につけられた、“何か”。
それを世間では、
―――手錠と呼びます。


