彼女みたいに明るくなれ、だなんて。
今更過ぎます。
無茶苦茶な話にもほどがあります。
大体、僕をこのような性格にしたのはあの男なのに。
幼い頃から今までずっと、この性格で居続けてきたんですよ。
あの男に言われるがまま、僕はこの性格で生きてきた。
…なのに今更明るくなってほしいだなんて……。
現実味がありません、現実味が。
「セイくんもおいでよ」
「遠慮しておきます」
昨日次郎さんや芽衣子さんには、
仲直りした方が良いと言われましたけど。
僕はもう、決めたのです。
あの男が僕にどうなってほしいのか、
彼女に述べた時点で。
……僕は一生、あの男に会わないと。
「セイくんは、何が好きなの?食べ物」
「……食べ物、ですか?」
「うん」
突然話が逸れて戸惑いましたけど、
僕は一瞬考えてから答えました。


