「そうだ。
今夜も星太郎おじちゃん来るんだよ。
セイくんも一緒にどう?」
「いや…ご遠慮します」
「今日は和菓子を持ってきてくれるみたい。
和菓子ならセイくんも食べられるんじゃない?」
「生憎わたしは和菓子も苦手で…」
「じゃあ何持ってきてほしいか言ってみようか?
あたし、星太郎おじちゃんの電話番号知っているから」
「…1つ、聞いても良いですか?」
「なぁに?」
「次期総理大臣と言われるような人と、何故キミはそんなに親しげなのですか?
おじちゃんなどと言っていますし…」
まさか番号も知っているとは…。
いくらあの男が次郎さんと親友同士だからとは言え、
娘の彼女とまで親しいとは…。
「星太郎おじちゃんにもね、あたしと同い年の息子さんがいるんだって。
だからあんまり敬語とか使われると、その息子さんを思い出しちゃうから、タメ口で良いって言われているの。
息子さんに会ったことないけど、星太郎おじちゃんはあたしみたいに息子さんも明るくなれば良いのにって言ってくれているよ?」
「そうなんですか……」
聞きながら僕は、段々とイラついてきました。
だけどその怒りをぶつける場所はないので、静かに唾をのみ込みました。