「……うざ」
俺の手を強く握りながら、なかなか泣き止まない彼女。
俺は溜息交じりに呟き、かけている眼鏡を取った。
裸眼じゃ見にくいけど、今は眼鏡が障害物に思えた。
「うざいあたしでごめんね…」
「はっ?
…ちげぇよ。
今のうざ、はあんたに言ったんじゃねぇよ」
「良かったぁ~」
「……ま、早く泣き止め」
本当に俺が嫌いで、
殺したほど憎い存在は、
何も出来ない俺自身。
彼女の笑顔の裏に隠された哀しみに気が付かないで
ずっと振り回し続けた。
何も知らなかった過去の俺が、凄く憎らしい。
「……」
繋いでいる手から伝わる、愛の震え。
俺はその震えをなくすよう、ますます握る力を強くした。
……俺は、
これからもずっと、
偽りの仮面を被り続ける?


