「…ソイツはあんたを裏切ったかもしれねぇけど。
俺は絶対に自分が言ったことに嘘はつかねぇよ。
俺は絶対に愛に暴力なんて振るわねぇよ。
…俺をソイツと一緒にするな」
屋上で抱きしめた時と同じく、俺は慣れない手つきでポンポンと頭を撫でた。
涙をいっぱい溜めた瞳で、愛は俺を見上げた。
「……やめろよ、その目。
抉(えぐ)り取りたくなるんだけど」
「えっ。セイくん怖い」
「じゃあ泣くな。
…お前の泣き顔なんて見たくねぇんだよ」
俺の調子が狂う。
「……早く泣き止め」
「うっ…ふぅ……」
「……ほら」
ちょっと乱暴に右手を愛の方へ差し出すと。
愛は躊躇いがちに、俺の手を握り返した。
「…普段俺のこと好きだって散々言うくせに、
実際俺と手を繋ぐのは嫌なのかよ」
「違うよ~。
好きだって言うのと実際に行動に移すのじゃ、
ドキドキ加減が違うよっ!」
「……同じだと思うけどな」


