「桐生くん、お待たせっ!」
再びリビングに現れた彼女は、
確かに夏物の薄手のパーカーを羽織っていました。
だけど、わたあめみたいな甘いピンク色の生地や、真っ白なボンボンの飾りは変わっていませんでした。
先ほどの冬物が、夏物に変わっただけの気がします。
「じゃあ、行こうか!
パパ、
帰りに連絡するね」
「わかった。
気を付けて行けよ。
桐生くん、また来てくれよな」
「桐生くん。
いつでも遊びに来て良いからね」
「ありがとうございます」
来た時と同じよう頭を下げ、僕は前園家を出ました。
「結構暗くなっているねー」
「秋はもうすぐですね」
現在の時刻は7時過ぎ。
空は暗くなり始めたばかりです。


