「だからさっき…次郎さん、僕に感謝しているって…」
「ええ。
次郎さんは一人娘の愛ちゃんが大事なのよ。
本当は愛ちゃんのこと、死ぬまで手放さないとか言っていたけど、星夜くんにならきっと愛ちゃんを預けても良いと思っているわ。
わたしたちにとって、星夜くんは、愛ちゃんを救ってくれた人だもの。
腕の良いお医者さまでも成し遂げることが出来なかったことを、星夜くんは簡単に成し遂げてくれたのよ」
「…………」
「星夜くんとお父さんのこと、愛ちゃんには言わないわ。
星夜くん。
愛ちゃんの傍にいてくれるかしら?」
「…………」
「勿論星夜くんの人生だから、好きなようにしても良いわ。
だけど今1番近くにいるのが星夜くんなら、今は愛ちゃんを任せたいわ」
「……僕で、良いのですか?」
「愛ちゃんは星夜くんを選んだ。
わたしたちは、愛ちゃんの好きなよう生きてほしいと思っているわ」
…真っ直ぐなご両親です。
あの子が真っ直ぐに育つ理由が、わかった気がします。
「…それと…。
まだ時間は掛かるだろうけど…星夜くん。
お父さんとも、早く仲直りした方が良いと思うわ」
「…………」
「やっぱりどんな人であれ、星夜くんのお父さんだもの。
仲直りしないままもし別れてしまったら…後悔すると思うわ」
「……考えておきます」
今はまだ、それしか言えません。


