「はいこれ、お土産です」
セイくんが制服のポケットから、何かを取り出して渡してくれた。
これは……
「おまんじゅう?」
「はい。
霊園の管理人にもらいました」
「えっ?」
それって…大丈夫なの?
何か憑いて来たりしてない?
固まっていると、セイくんが吹きだして笑いだした。
…こんなに笑っているセイくん、初めて見た。
「ハハハッ…何です?その顔」
「え?」
「嘘ですよ、ごめんなさい。
それ、バス停の近くに売っていたただの豆大福ですよ。
憑いて来たりなんてしませんよ…ハハッ」
「セイくん…騙したの!?」
「キミの反応が面白いので…ぷっ」
「まだ笑ってるー!」
そう言うあたしも、一緒に笑った。
…もっともっとこれから、セイくんと一緒に過ごして。
セイくんの色んな表情、見て。
思い切り楽しんで、幸せになれたら良いな。
「セイくん、大好きー」
「はいはい」
「テキトーに流さないでよぉ」
「僕も思ってますよ」
「本当にー?」
「……俺が愛に嘘をつくとでも?」
「さっき騙したじゃないの」
「あれは…愛が、面白いから」
「セイくんのドS!
だけど、大好き!!」
あたし・前園愛はこれからも、
彼・桐生星夜くんを
愛し続けると誓います。
【END】