「そういえば愛ちゃん。
この間星夜がこの家に来た時、おにぎりをわたしは持ってきたけど。
おにぎり、星夜好きなのか?」
「うん。
好きな食べ物は何って聞いたら、おにぎりって。
セイくん変わってるよねぇ。
中身が入ったおにぎりは邪道とか言うんだよ?
あたしは鮭のおにぎりが好きなのに」
あたしの好きなおにぎり、全否定の台詞だよね。
「…いや。
星夜が邪道って言い始めたんじゃないんだ。
最初に言い始めたのは、真夜(まや)なんだ」
「マヤ?」
「星夜の母親の名前だよ。
真実の夜って書いて、マヤと読むんだ」
「真実の夜…?
じゃあセイくんの名前って、おじちゃんの星って字と、真夜さんの夜って字から取ったの?」
「あぁ、そうだよ」
星太郎と真夜の息子だから、星夜。
…良い名前しているんだね、セイくん。
「セイくんのお母さん―――真夜さんが、中身の入ったおにぎりは邪道って言い始めたの?」
「そうだよ」
セイくんのお母さん、かぁ。
どんな人だったんだろう?


