僕を愛した罪









「でもセイくん。
不器用なのはあたしも同じだから別に良いけどさ。

冷凍食品で日々の食事を済ませようって言う考えは同感できないよ」


「……良いじゃないですか、楽なのですから」


「確かに楽だし美味しいけどさぁ…」




まさかお昼の時間常に美味しそうって思ってたセイくんのお弁当が、
全部冷凍食品で済まされていたなんて。

そう考えると、冷凍食品恐るべし!

どこまで進化すれば気が済むのよ…。





「セイくん。
お米もないんじゃ、おにぎり作れないよ」


「……おに、ぎり?」


「うん。

セイくんの誕生日に何も買っていないってことに気が付いたあたしは、セイくんに手料理を振るまうことを決めたの。

そんな中セイくんが好きだって言っていたのが、おにぎりだから。
おにぎり作ろうと思ったんだけど…」


「…………」


「そりゃ、米々堂(まいまいどう)のおにぎりには敵わないけどさぁ」




米々堂とは、前にセイくんが星太郎おじちゃんの息子だって発覚したあの日、
おじちゃんが“あたしの彼氏”に買ってきてくれたおにぎりのお店。

ちなみにあの日、セイくん、食べて帰ったんだよね。

おとぎ話に出てきそうな、三角形のおにぎりを両手で抱えたセイくんは、
凄く嬉しそうに頬張っていた。

写真撮れば良かったって後悔したんだよねー。




米々堂のおにぎりは、何も入っていない塩むすびでも1個500円ぐらいする高級品だから。

素人のあたしが作ったからって、絶対に敵う味じゃない。



だけどセイくんへの愛で、美味しいおにぎりを作ろうと思ったのに。

肝心のお米がなくちゃ、作れないよ。

冷凍食品しかない家だから、きっと海苔もないだろうし。