僕を愛した罪









「おや。知りませんでしたか?愛様」


「宮口さん、知っていたんですか?」


「そりゃ勿論(もちろん)。
星夜さんの家庭教師をしておりましたから。

星夜さんは昔から、不器用でしてね。
お料理は勿論のこと、お裁縫も苦手ですよ。
その上、機械音痴。

この家に備え付けられている家電は、きっと殆(ほとん)ど使われていないでしょうね」


「…………」





衝撃的な事実が、発覚した。

セイくんが、器用で完璧そうなセイくんが。

不器用!?






「……僕にだって、苦手なこと1つや2つはありますよ」


「星夜さんの場合、1つや2つじゃありませんから、困ったものですね」


「……うるさい」


「星夜さん、昔から不器用でしてね。

旦那様は、男でも女でも関係なく家庭的にならなくては駄目だというお考えでして。
星夜さんにもわたくしが、料理・裁縫・洗濯の方法など教えてきたのですよ。

ですけど星夜さんは、どれを教えても不器用なため駄目でしたね。

料理をすれば黒こげにさせ、
裁縫をさせれば指が血まみれになり、
洗濯をさせれば何故か洗濯機が動かなくなってしまったり。

さすがの旦那様も、お考えを改めましたよ」


「…宮口、喋りすぎです。

って愛さん、何しているんですか?」





セイくんの冷たい声が聞こえるけど。

あたしは無視して、セイくんの柔らかな黒髪を撫でた。

…猫みたい。