「セイくん、ママのことお義母さんって呼ぶの!?
まるで夫婦みたいだね、あたしたち!」


「……キミも話が早いですね」


「高校卒業したらゴールインしちゃう?」


「…………」


「そんな呆れた顔しないでよ、ふふっ!」





口元に両手を持って行き、緩み切った笑顔を見せてくる彼女。

僕はふ、と笑って、スキップをし始めた彼女の手を握りました。





「せ、セイくん?」


「……ありがと。
今日お父様とあんな話出来たの、あんたのお蔭だよ。

…感謝、してる」


「……セイくん。固い」





いつも笑顔の彼女からは信じられない真顔で言われ、
僕はその場に固まりました。





「はっ!?
固いって何だよ、固いって。

しょうがねぇだろ、元々そういう話し方なんだからよ」


「感謝してる、なんて…固いよ。
普通にありがとう、で良いんだよ。

ていうか、ありがとうなんて言われること、あたしはしていないよ。

セイくんとおじちゃんに仲直りしてほしい。
あたしはただ、それだけだったからね」





それだけの理由で、ああやって言えるなんて。

…僕には、信じられないですね。






「……勿体ねぇよ、俺には」


「うふ?惚れた?」


「キモい。惚れてない」


「相変わらず酷いなぁ。
でも、好きー!」






絶対に言わねぇよ。

ますます惚れた、ってな。

言うか、アホ。