☆星夜side☆
彼女に手を引かれもう1度前園家に戻ってきた僕は、
廊下で会話を聞いていた。
…あの日、いたのでしょうか?リビングに。
僕はリビングの前は通りましたけど、扉が閉まっていたから。
中を覗くようなことはしなかった。
開いていたとしても、覗こうと思わなかった。
あの時はもう、後先考えていなかったから。
考えていたのは、これから先手に入るだろうと信じていた、自由だけ。
…結局あの時手に入るだろうと信じていた自由は、
僕が変われずに終わったけど。
それに、遅い時間だったから。
寝ているだろうと信じて、疑わなかった。
あの日…知らなかった真実があって。
僕はギュッと手を握った。
「セイくん?
おじちゃんはしっかり、本音言ったよ?
セイくんも言ったら?」
彼女の声で、我に返る。
…でも、言えませんよ。
今更、何を言えば良いのですか?


