自殺したかったのか、今でもわからないけど。
きっと俺は、自分自身と決別したかった。
俺じゃなくて、また新しい誰かになって、新しい道を歩きたかった。
俺じゃない、誰かになって。
心を持った、誰かになって。
人の心がわかる
人のためになれる
―――そんな奴に、俺はなりたかった。
心はとうの昔に捨てた。
詳しくはわからないけど、昔に。
気が付けば、人が何に哀しみ、何に喜ぶのかわからなかった。
何故笑い、何故泣くのか、わからなかった。
知りたいとも、思わなかった。
きっと俺自身が、わからないから。知らないから。
俺は、笑わないし、泣かない。
必要最低限の言葉しか言わないし、話せば酷いと言われる。
だから、本当に不思議だ。
何故彼女は、俺に近寄ってきたのか。
俺に一目惚れした、とか言っていたけど。
「……意味、わかんねぇ」
そんな意味不明なアイツを気になる俺も、
意味がわからない。


