それから俺は、日々を何も考えず、ぼんやり過ごすようになった。
やりたいことも、夢もなくて。
勝手にもらった通帳で買った家の中で、何もしないで1日中ボッとして。
…変わっていないと、実感した。
流れるように近くの高校に進学して。
だけど、どうやって接して良いのかわからなくて。
空気が不味いだとか支離滅裂なこと言って、ピッキングして屋上の扉を開けた。
暇な時間の中で、ふと思い立った、柵の向こうに立つこと。
俺は暇さえあれば、柵の向こうに立つことにした。
彼女には「自殺したいんだ」なんて言っていたけど、
本当にしたかったのかは、自分でもわからない。
1歩歩けばダイブ出来るその場所で。
俺は何かないか、求めていたんだと思う。
そしてある時突然に訪れた、変化。
俺とは正反対の、真っ直ぐなあの子に会った。
正反対だった。
だから嫌いだった。
俺と一緒にいれば、あの子が俺と一緒になる。
そう1人で勝手に怯えて、あの子を遠ざけた。
人と関わりなんて、持ちたくなかった。
初めて、クラスメイトに声をかけたあの日。
「ママに言われた」と断るクラスメイトの目が、嫌いだった。
それ以上人と関わりたくない、と誓ってしまった、
俺が、大嫌いだった。


