「いえ!充分です。ご馳走様でした!」

料理を平らげお辞儀する。

「じゃあお風呂入っておいで。千智、連れてってあげて」

バンドマンがめんどくさそうにこっちを見る。
ちさとさんって言うんだ。

「ついといで」

千智さんの後をついて行く。
リビングを出て、無言で歩く千尋さん。
気まずくて話をふってみる。

「ここって女性はニーナさんだけなんですか?」

千智さんが立ち止まり振り返る。

「...ああ。ここに住んでるのはさっきのメンバーだけ」

そう言ってまた歩き出す。

「...ここ。で、タオルここ。使い終わったらここに入れといて。シャンプーとかは好きなの使ったらいいから」

「はい。ありがとうございます」

「あ。体はこれで洗いな。使い終わったら皆と同じとこに置いといたらいいから」

そう言って新品のボディスポンジをくれた。