チョコレート




『え?…マナ?』

それでも、意味わからない、と
言いたげな顔であたしを見つめる彼


『じゃあもういいわ。

ここまで言っても気付かないだなんて。

今まで一緒にいたけど知らなかった。

ねえ、あなたは知っていたの?…アイ』


最初からあたし達を覗いているアイに声をかける


『…っ!!!』


急に話しかけられてビックリしながらも

物陰から出てきたアイ


その愛らしい顔があたしを更に腹立たせる


『めんどくさいからはっきり言うわ。

リト、あたしと別れてくれる?

あたし、悪いけど他の女を想ってる男と

付き合う趣味はないのよ。』


思ってもないことを彼に告げる

目を丸くさせる彼を横目に次はアイへと目を向ける


『あなたにも、はっきり言っておくわ。

アイ、あたしと友達やめてくれる?

あたし、悪いけど人の男取るような女と

友達してる趣味もないのよ。』


そう言うと目を丸くするあの子

ほんとに可愛い顔をしてるな、とそう思わずにはいられない