「…エルノア・エルクンハート」
「…!エルクンハート?!」
侑先輩が反応した。
「シュエル・ファントムレインだ」
「……。」
私は答えなかった。
「お前は?」
「人間ですけど」
「いや、この状況でそれはないでしょ。セナちゃんも吸血鬼?」
「…魔女」
「おぉ、珍しい!」
「…名前」
秋先輩が私をジロリと見てきた。
「…ロゼリナ・ファントムメィ」
「え?」
「ファントムメィって、公爵家のだよね?」
「えぇ。私はファントムメィ公爵の娘よ」
「ファントムメィ家は、王家に最も近い特殊なハーフで有名だよな?」
王家に近い、ね…。
「有名だかどうだかは知らないわ。だって私は魔女だから」
「ロゼリナは魔女と何のハーフなの?」
「……吸血鬼、よ」
「えっ?」

