*⋆✩ファントムメィ家のお嬢様✩⋆*



「…エルノア・エルクンハート」


「…!エルクンハート?!」


侑先輩が反応した。


「シュエル・ファントムレインだ」


「……。」


私は答えなかった。


「お前は?」


「人間ですけど」


「いや、この状況でそれはないでしょ。セナちゃんも吸血鬼?」


「…魔女」


「おぉ、珍しい!」


「…名前」


秋先輩が私をジロリと見てきた。



「…ロゼリナ・ファントムメィ」


「え?」


「ファントムメィって、公爵家のだよね?」


「えぇ。私はファントムメィ公爵の娘よ」


「ファントムメィ家は、王家に最も近い特殊なハーフで有名だよな?」


王家に近い、ね…。


「有名だかどうだかは知らないわ。だって私は魔女だから」


「ロゼリナは魔女と何のハーフなの?」


「……吸血鬼、よ」


「えっ?」