*⋆✩ファントムメィ家のお嬢様✩⋆*



「宮村~?花咲~?」


秋先輩の声が聞こえた後、足音がすぐそばまで来ていた。



「…っお前ら、」


「…のえ、る…っ」


私はグィっとのえるを押した。


すると、のえるは慌てて牙を抜いた。


「花咲、お前…っ吸血鬼、だったのか」


…バレた。


「えっ?あ、えと…。取りあえず、セナ。ごめんなさい。私、血を吸いすぎました」


うん、吸いすぎよ。


「いいよ、別に。だからさ、痕消しなさい」


「…うん」


のえるは首筋に唇をあて、舐めた。


「…っ」


「消ーえた!」


「宮村、お前はただの人間なのか?」


「…さぁ、ね」


「猫被り止めたのか」


「え?止めてないよ」


「まさか、のえるちゃんが僕らと同じだなんて、ね…。」