「宮村~?花咲~?」
秋先輩の声が聞こえた後、足音がすぐそばまで来ていた。
「…っお前ら、」
「…のえ、る…っ」
私はグィっとのえるを押した。
すると、のえるは慌てて牙を抜いた。
「花咲、お前…っ吸血鬼、だったのか」
…バレた。
「えっ?あ、えと…。取りあえず、セナ。ごめんなさい。私、血を吸いすぎました」
うん、吸いすぎよ。
「いいよ、別に。だからさ、痕消しなさい」
「…うん」
のえるは首筋に唇をあて、舐めた。
「…っ」
「消ーえた!」
「宮村、お前はただの人間なのか?」
「…さぁ、ね」
「猫被り止めたのか」
「え?止めてないよ」
「まさか、のえるちゃんが僕らと同じだなんて、ね…。」

