朝に家族でおせちを食べてから、着物をまとって部屋を出た。
いつもは初詣も家族で行くけど、今日はお許しをもらったんだ。
お昼からは親戚のお家に行くけど、午前中は好きにしてもいいと言ってもらえた。
家を出ると、玄関前に見知った人の背中が。
えっ……。
「れ、蓮さん……!」
私の声に、蓮さんが振り返る。
そして、にっこりと微笑んだ。
「……あけましておめでとう」
ど、どうしてここに……!公園の前で待ち合わせしてたのにっ……。
「あ、あけましておめでとうございます……!じゃなくて、どうして……!」
「時間に余裕あったし、迎えに来た。元旦からインターホン鳴らして邪魔するのもなと思って」
「そ、そうだったんですね……ありがとうございます……!」
少しでも蓮さんと一緒にいられる時間が増えて、正直嬉しい。