「おやすみなさい」とリビングにいる家族に告げて、自分の部屋に戻る。
年越しは、家族と過ごすのが我が家の決まりで、毎年それが当たり前だった。
でも……
蓮先輩と恋人同士になって、初めて迎える年越し。
一緒に過ごせないか?と誘われたけど、家族で過ごす決まりがあるため泣く泣く断ったんだ。
本当は……蓮先輩と、過ごしたかったな……。
もちろん家族と過ごすのは楽しいし、大切な時間だけど……
一番最初に、あけましておめでとうございますって……言いたかったな。
そんなことを思いながら、ベッドに寝転んで眠りにつこうとした時だった。
——ピロンッ。
……ん?
スマホがメッセージを受信した音を鳴らして、手を伸ばす。
画面を見ると、そこには大好きな人からのメッセージが表示されていた。
【蓮先輩:もう寝た?】
蓮先輩からだっ……!