航宇くんは少し悲しそうに、 でも最後は笑顔でこの町を離れて行った。 良かった、笑ってくれた。 私は航宇くんの可愛い笑顔が大好きだった。 こっちまでほっとするような、そんな笑顔。 あのころの私は、航宇くんが あんなオオカミみたいになって 帰ってくるなんて… 全く想像も出来ないでいたのだった―――……。