「なんだ…あの女」



「やべぇだろ……」



「つーかなんで男子校に…」






男達がざわめき出す。




それでも奴らがコソコソと話す程度に納めるのは、



さっきのあいつの迫力が相当効いたからだろう。




当の本人は気にする様子もなく、呑気に鞄の荷物をしまう。






つーか。ちゃんと鞄の中にまともなもん入れてるやつ、いたんだな。





ちらりと目を向けると、彼女と目が合う。







「あ、えっと…如月です。よろしくね」





控え目に言うと、さっきの迫力が嘘みたいにふわりと微笑む如月。




これは、俺にも名乗れと?






「…佐竹蓮。」





期待の眼差しでこっちを見るので、仕方なく名前だけ教えてやる。






ったく…なんで俺が女なんかと。






「じゃあ、佐竹くんは私の友達1号ね!」





「…はあ?」





何を一人合点したのか、ぱちんと手を叩いて喜ぶ如月。






「…ふざけんな。」






勝手に話しかけといて、友達だと?





しかもなんで女なんかと。





おもしれえ、とか一瞬思っちまったけど…






俺は女なんてぜってー認めねえ。