君と2人

「ただいまー‥‥あれ。」

玄関を開けると見慣れない靴。
というより久しぶりに見た靴。


「おっかえりー!」

「え、ちょっ。」

ばたばたという音と抱きつかれる衝撃。


「睦月ー!」

「‥‥香月」


抱きついてきたのは双子の兄、香月(カツキ)。
仕事の都合で家には殆ど帰ってこない。


「どうしたの睦月、その髪!服!」

離れた香月は私の短くなった髪と男子制服を見てギャンギャン喚く。

‥‥ちょっとうるさい。


「うるさい香月。」


押しのけて家の中に入る。

「待ってよ睦月。」

否、入ろうとした。


「何?」

「なんで薫と一緒にいたの。」

「は?薫先輩?」

「‥‥そうか、やっぱり、」


またこれか。
隠してるの?何を?

薫先輩が私に何かしたのだろうか。
今の彼はそんな人ではないのに。


「何でもない睦月、ごめんな。」

「‥‥うん。」


もう問いただすこともしたくない。