君と2人

お礼を言うため2-Aの教室に向かう。
1年生が珍しいのか、ずっと視線を感じていた。



「ねぇ、あれ‥‥。」
「1年の王子でしょ。」
「本当にかっこいいよね。」


…こんな会話が聞こえたことは気のせいにしておこう。

王子って。
役柄なんだけどな。



「あの、すみません…。」

教室のドアを開けると視線が一気にこちらを向く。


「あれ、むっちゃん。どしたの。」

そんな中、平然と話しかけてきたのは…。


「氷音。」

氷音のクラスだったのか。


「誰かに用事?」

「如月奈々美先輩っている?」


「ナナ?いるよ。」


氷音は教室の隅で友達に囲まれている先輩を引っ張ってきた。


「ひぃちゃん!無理無理無理。」
「無理じゃない!」


‥‥何やら不穏な会話が聞こえるけど。


「ただのむっちゃんだから!」
「睦月くんでしょ!」


‥‥んん?
睦月、くん?



そのまま2人は私の目の前までやってきた。


「あの、如月先輩?」

「はい!」


そんなに緊張されると話しにくいんだけどな。

「手紙、ありがとうございました。そのお礼だけ言いに来たんです。」

「いっいえいえ!睦月くんのこと、応援してます頑張ってください!!」

それだけ言うと氷音の後ろに引っ込んでしまう。


「ナナ‥‥。むっちゃん相手に緊張しすぎね。」


氷音が笑いながら私を見て、それから如月先輩を前に出してくる。


「ひぃちゃん!」
「見たかったんでしょ、むっちゃんのこと。」
「見たかったけど!」
「どう本物。」
「かっこよくて倒れそうです。」




‥‥私にはよくわからないなぁ。