君と2人

「ファンクラブ?」

「あれ、睦月、知らなかったの?」


そう口を出してきたのは薫先輩だ。


「知りませんよ‥‥。」

自分にファンクラブなるものがあったなんて。


「ちなみにファンクラブのトップは1年の飛鳥さんだよ。同級生じゃない?」


「…飛鳥?‥‥伊織じゃんか!」



まさか伊織、勝手に創設して何も言わなかった感じ…?
しかも私が悩んでることの答えを知っていたのに、あえて先輩方から教えてもらうように仕向けて…。


「ちょっと抜けます。」

「はいはーい。」



話を聞いてこなければ。



* * *


向かったのは軽音部の活動場所である音楽室。
音が途切れるのを見計らってノックする。


「1年の遊佐と申しますが…飛鳥伊織いますか。」

「え、睦月!?」


相方だというベースを抱えたまま伊織が近付いてくる。


「伊織、お話しようか。」

「え、あ、はい…。」



廊下に連れ出して、ファンクラブについて聞く。


「先輩方、話しちゃったのか…。」

「伊織が代表なら手紙とか私物の件、知ってたよね?」

「手紙は知ってたけど、害はないの知ってたから無視してて。私物の件は本当に何も知らないよ。ファンクラブの子が泥棒なんてする訳ないじゃない。」


伊織は勝手にファンクラブを創設したことを謝り、犯人探しに協力してくれると言ってくれた。