君と2人

side 遊佐睦月


それから2週間は得意科目はすぐに範囲を終わらせ、苦手科目に時間をかけて取り組んだ。

たまに薫先輩が教えに来てくれたり、伊織と教えあったりしながらテスト当日を迎えた。


そして行われたテストで私は、漢文の学年最高得点をたたき出した。



* * *


「睦月、順位出てるって。見に行こうよ。」

テスト返却の翌日、教室で台本を読み込んでいた私に、伊織はそう言った。

「うん、行く行く。」


台本を仕舞い、順位が張り出されているという昇降口前へ向かった。


「睦月、全体的に良かったよね。」

「うーん、そうかも。真面目に勉強しないといけないからね。」

「そうだよねぇ。」


下手をすれば順位一つで退学になってしまうのだから。






「あ、見て見て睦月!」


昇降口前には何人か生徒がいたが、順位自体はすぐに見ることが出来た。



『中間考査 一学年』と書かれた紙に、学年トップ50の名前が並んでいる。

(主席は、)



1.遊佐睦月



(うん?)



「睦月トップだね!総合得点すっごい。」

「本当だ。」

「反応薄すぎ。」

伊織に小突かれ、私はようやく事態を理解する。


(今回の結果なら大丈夫だと思う。)


「頑張ってたもんね!」

「うん、頑張った。」


そんな伊織の順位は32番目。
一年生は100人程度いたはずだから、悪い成績ではないと思う。




2人で話していると向こうからこのテスト期間で見慣れた姿が近付いてきた。

‥‥正確には見慣れた姿にメガネの薫先輩なのだが。



「あ、睦月がいる。」

「遊佐ー。」


その隣には如月先輩。



「久々、遊佐。どうだった?」

「主席でした。」

「おお、ってすげぇな。オメデト。」

「ありがとうございます。」


ご褒美をやろう、そう言って如月先輩はポケットから飴を取り出して私にくれた。


(あ、苺。)


それを自分のポケットにしまってから薫先輩と目を合わせる。


「睦月、主席おめでとう。」

「ありがとうございます、薫先輩。先輩のおかげです。」



次席との得点差は10点。
きっとあのまま漢文が苦手で、点数がとれなかったら主席にはなれなかった。